菊花賞 2018(予想)
先週末には京都競馬場で秋華賞(G1)が行われ、アーモンドアイが牝馬三冠を達成しました。
牡馬は皐月賞をエポカドーロ、ダービーをワグネリアンが制しており、三冠獲得がかかったレースというわけではありませんが、三冠目の争いは熾烈なものとなっております。
本日はクラシック三冠目にあたる菊花賞の予想をしていきたいと思います。
○菊花賞
京都競馬場の外回りコースを舞台に行われるレースで、距離が非根幹距離の3000mと長いのが特徴。3コーナー手前からスタートし、外回りコースを約1周半回る。皐月賞、東京優駿(ダービー)と併せてクラシック三冠競争と呼ばれ、その最終戦として実施されている。
やはり注目すべきはその距離で、3000mの長丁場は出走馬がほぼ経験したことのない距離です。距離適性という観点でみると、実施レースが少ない分、過去の実績から推し量ることが不可能であり、その点もまた、菊花賞を難解なものとしている要素ではないでしょうか。
競走馬であれば3000mは問題なく走れる距離でありますが、競馬ということになると最後まで走りきるスタミナはもちろんのこと、勝負所でスパートをかけた際に最後まで脚を持たせられるかどうかという点が重要になってきます。
ですので、菊花賞を予想する際に重視したいのは「騎手」と「気性」の2点です。まずは過去10年間の菊花賞のラップタイムをご覧ください。
京都競馬場は3コーナーを過ぎたあたりから坂があるので、菊花賞は坂の手前からのスタートとなります。10年間の傾向をみると、概ね坂を上りきって下る際にスピードがあがり、ホームストレッチから1コーナー、2コーナーを回り向正面まではペースが一度緩やかになり、再度坂を上って下るところでスパートをかけていることがわかります。
ですので、ペースが落ち着いたときにしっかりと息を入れて脚をためられるかどうかが重要になってきます。
○騎手の技量
馬を制御して、しっかりと脚をためられるかどうか
○競走馬の気性
無理に行こうとせず、騎手の指示にしっかりと従えるかどうか
どれだけ能力がある馬でも、この2点をクリアしないと、何も考えずにペースを飛ばしてしまうと最後まで脚がもたなくなります。
【展開】
先行馬
1 アイトーン
4 ジェネラーレウーノ
5 エポカドーロ
6 メイショウテッコン
8 カフジバンガード
10 アフリカンゴールド
中団
3 ブラストワンピース
7 ユーキャンスマイル
11 コズミックフォース
13 タイムフライヤー
14 グロンディオーズ
17 シャルドネゴールド
18 グローリーヴェイズ
後方
2 グレイル
9 エタリオウ
12 フィエールマン
15 オウケンムーン
16 ステイフーリッシュ
ペースの鍵を握るのは、1 アイトーン。最内枠を引き当てたこともあり、なんとしても前に出てくることが予想されます。4 ジェネラーレウーノは逃げ宣言を陣営はしていますが、今までのこの馬の競馬を見ると、何がなんでも前に出たいという馬ではない。
先行勢で不気味な存在は5 エポカドーロで、皐月賞の時のように、先団をいかせてその後ろにつける競馬を狙っているのではないでしょうか。あの競馬ができれば、おそらくこの距離であっても勝ち負けでしょう。
先団のペースを考える上で、先行してくることが予想される馬のこれまでのラップタイムの平均をまとめてみました。
こうしてみると、いずれの馬も似たようなラップを刻んできたことが分かります。1 アイトーンは末脚が使えるわけではないのでできるだけ前につけておきたいでしょうし、4 ジェネラーレウーノも無理に下げてしまうとダービーの時のように大崩れする心配があります。また、6 メイショウテッコンも前に行きたがる馬であり、鞍上がそれを制御できるかどうかがポイントとなってきます。
また、中団にはペース読みに長けているモレイラ騎手や武豊騎手が控えており、ペースが遅いとなるやいなや、押し上げてくる可能性もあります。
そう考えると、エポカドーロを除く先行勢は常に競り合いポジションを取り合う可能性が高く、素直に隊列が決まるということはないのではないかと予想しております。
そうなれば、本来はSペースで落ち着かせて脚をためたいところを他馬との兼ね合いで馬が落ち着かず、最後まで脚をもたせることができません。
イメージとしては、オルフェーヴルが菊花賞を勝利した2011年のような展開となり、中団~後方から差しが台頭してレースを決する展開を想定しています。
なお、エピファネイアが勝った2013年、ビッグウィークが勝った2010年、スリーロールスが勝った2009年はいずれも、勝ち馬が他馬に競られることなく、比較的楽に先行できていました。今回はそうはならないと読んでいます。
【予想】
◎3 ブラストワンピース
有利な内枠を引き当て、中団好位でレースを運べる。神戸新聞杯・セントライト記念のいずれのステップレースも使わず、新潟記念から直行という異例のローテではあるが、前走も休み明けでいきなり新潟記念を使い、古馬相手に強い競馬をした。調教もしっかりと走っており、これまで輸送競馬も経験しているので問題なし。
これまで出走したレースのラップタイムであるが、前走の新潟記念は全体的に速いペースで進んだなか、焦らず後方に待機して直線から一気にスパートをかけて差し切り。新潟外回りコースは直線が658.7mあり、その中でも上り33.5秒をマーク。菊花賞は残り800mからのロングスパートになると思われるが、その展開になっても持ち味は問題なく発揮できそう。
〇5 エポカドーロ
前走はスタートで躓いたことが響いて4着に。しかし、元来持っている能力は3歳馬の中でもトップクラス。皐月賞と同じように、先団を行かせてその後ろにつければエポカドーロにとっては最も望ましい展開。ダービーでも先行して2着に入っており、3000mでも問題なく適応できるはず。
▲12 フィエールマン
身体が弱い体質のためこれまでクラシック戦線には出てこれなかったが、素質は最上位。これまでの3走を見ても、凄まじい末脚を持っており、しかもまだ余力がありそう。出遅れ癖があるので、最初から出遅れを想定して最後方からロスなく最内を回れば問題ない。唯一の問題は、馬がなかなか動かない点にあり、これまで鞍上に跨った石橋騎手は4コーナー手前から必至に馬を動かそうとするも、最後の直線を向いてやっと馬が走ってくれる。今回はC. ルメール騎手に乗り替わるので、3コーナーを過ぎて下り坂から動かすことができれば、後方から一気に差し切るだけの能力はある。
△2 グレイル
△7 ユーキャンスマイル
△9 エタリオウ
△14 グロンディオーズ
脚をためて好位につけ、末脚を発揮できそうな馬を△に。