第3回 福島開幕週の傾向(2012~2017)

今週末からローカル開催の舞台が福島に移ります。

 

いよいよ11月に入り、あっという間に年末に向かう中、競馬ファンの皆様の頭の中は既にジャパンカップ有馬記念でいっぱいかもしれませんが、ここで福島競馬場の傾向をしっかりと分析しておきましょう!

 

※2012年~2017年(2014年は開催時期がズレているため割愛)の5年間、計61レースを分析対象としております。

 

 

まず初めに、福島競馬場のコースを確認しておきましょう。

 

f:id:U___matz:20181031202936g:plain

f:id:U___matz:20181031202944j:plain

f:id:U___matz:20181031202949g:plain

コース紹介:福島競馬場 JRAから引用)

 

アップダウンは多少あるものの、それほど急な高低差があるわけでもなく、最後の直線も292mとやや短めの距離となっています。

 

JRAの公式サイトの記載によると、逃げ・先行有利と記載されています。

そんな起伏構成のなかでも特に注目すべきは、4コーナーから直線にかけての下り勾配だろう。札幌や函館と異なり、3~4コーナーにスパイラルカーブが導入されている福島では、曲線部分でもスピードが落ちにくい。このスパイラルカーブと、直線にかけて設けられている下り勾配の相乗効果によってスピーディーなレースが楽しめるのだ。292mという芝コースの直線の長さ(Aコース使用時)は、ローカル場としては標準的なものといえるが、スピードを持続したままコーナーを曲がり、その勢いに乗って直線に向く逃げ、先行馬の脚勢が鈍らないため、極端な後方一気はなかなか決まりづらい。馬場状態が良い開幕当初は、特にその傾向が顕著だと頭に入れておきたい。

コース紹介:福島競馬場 JRAから引用)

 

 

では、実際に過去5年の傾向はどうだったのかを見ていきましょう。

 

f:id:U___matz:20181031203432p:plain

第3回 福島開幕週の傾向(2017)

f:id:U___matz:20181031203502p:plain

第3回 福島開幕週の傾向(2016)

f:id:U___matz:20181031203517p:plain

第3回 福島開幕週の傾向(2015)

f:id:U___matz:20181031203559p:plain

第3回 福島開幕週の傾向(2013)

f:id:U___matz:20181031203615p:plain

第3回 福島開幕週の傾向(2012)

 

各年の枠順別成績と脚質別成績をまとめると次のようになります。

 

f:id:U___matz:20181031203704p:plain

第3回 福島開幕週の傾向(枠順別成績と脚質別成績)

 

 

これらのうち、脚質別の成績をグラフ化するとこのようになります。

 

f:id:U___matz:20181031204111p:plain

第3回 福島開幕週の傾向(脚質別成績)


これをご覧いただくと、2016年は突出して「逃げ・先行」が絡んでいます。特に勝率においてその傾向が顕著で、全体の80%以上が「逃げ・先行」。ただし、複勝率になると全体の平均と近似的な値に収束しています。

 

逆に、2015年は特に勝率において「差し・追込」の割合が高くなっていることが分かります。この2ヶ年を除けば、概ね平均と同じ推移をしており、複勝率になるといずれの年度も平均と近い数値に収まっています。

 

全体として見ると、「開幕週は内枠の逃げ・先行が有利」というセオリーが当てはまっていると言えるでしょう。

 

 

では、距離別でみたときに、どのように分かれるのでしょうか。開幕週に行われる芝のレースのうち、施行回数が多い1200m、1800m、2000mに絞ってみていきましょう。

 

 

●1200m(全31レース)

f:id:U___matz:20181031205239p:plain

f:id:U___matz:20181031205256p:plain

f:id:U___matz:20181031205301p:plain

f:id:U___matz:20181031205310p:plain

 

1200mにおいて1000万下(3R)と1600万下(2R)は施行回数が少ないのでデータとして扱うのには不十分ですが、「新馬・未勝利戦」と「500万下」では異なる特徴が見受けられます。

 

新馬・未勝利戦」では逃げ・先行有利、逆に「500万下」になると明らかに差し・追込みが有利となります。

 

恐らく、未勝利クラスではSペースで流れ、500万下になるとHペースとなることが原因ではないでしょうか。

 

 

 

・1800m(全13レース)

f:id:U___matz:20181031210025p:plain

f:id:U___matz:20181031210032p:plain

f:id:U___matz:20181031210038p:plain

f:id:U___matz:20181031210103p:plain

 

この距離では「新馬・未勝利戦」と「500万下」しか施行されていませんが、ここも1200m同様に未勝利クラスでは逃げ・先行有利、500万下では差し・追込が有利となっていることが分かります。

 

 

 

・2000m(全10レース)

f:id:U___matz:20181031210522p:plain

f:id:U___matz:20181031210533p:plain

f:id:U___matz:20181031210547p:plain

f:id:U___matz:20181031210555p:plain

 

2000mになると、「新馬・未勝利戦」でも「500万下」でも先行有利となっています。

(「新馬・未勝利戦」は3レースしかないので、サンプル数としては不十分)



 

以上、第3回 福島開幕週の傾向でした。

簡潔にまとめると、以下のようになると言えるでしょう。

  • 芝1200m、1800m

  ⇒「新馬・未勝利戦」は先行有利

  ⇒「500万下」になると差しが多く決まる

 

  • 芝2000m

  ⇒「新馬・未勝利戦」、「500万下」ともに逃げ・先行有利

 

 

第3解 福島開幕週に関しては、一概に「逃げ・先行有利」とひとくくり捉えるのではなく、距離・クラス別に分けて考えた方が良さそうですね。

 

 

(なお、年度別でみた際、2017年は圧倒的に先行有利、逆に2016年は後方有利となっています。色々と要因を考えてみたのですが、この点に関しては合理的な解釈に至りませんでした。芝の生育具合などが関係しているのでしょうか?何か思い当たる方はぜひぜひご教示くださいませ。)